G・バシュラール

ピエール・キエ著『バシュラールの思想』は篠沢秀夫訳だった

先週、注文していた本が届いた。 『バシュラールの思想』ピエール・キエ著 見たところ、これまでの本とは違い、 とても読みやすそうだ。買ってよかった。 訳は篠沢秀夫とある。 ん?篠沢秀夫・・・? もしや、昔見たテレビ番組「クイズダービー」で 回答者と…

『空間の詩学』本章に触れて思うこと

どうにか序章を読み終え、今第1章を読んでいるのだが、これまでのような書き方では表面をなぞるだけになってしまうと思い始めた。書き写すだけで満足してしまいそうだ。 なので、詩作の糧になりそうな印象的な部分を抜き書きし、解読できないことは他の書物…

『空間の詩学』序章Ⅸ

◆序章Ⅸ(p036-042) ようやく最終節に来た。 序章の最後の節にあたるここでは、 本書の研究範囲と本章の外観が述べられている。 〇本書で探究すること ・幸福な空間のイメージの検討(トポフィリ〈場所への愛〉) ・空想の存在の豊潤さ ・詩的イメージの現象…

『空間の詩学』序章Ⅷ

◆序章Ⅷ(p034-036) 引用〔強調部分も本文〕 「想像力を人間の本然のもっとも大きな力とみなすことを提案したい」 「現実的なものの機能は過去にまなんだ賢明な機能であり、この種のものは古典的心理学によって解明されてきた。だがわたくしがまえの著作にお…

『空間の詩学』序章Ⅶ

◆序章Ⅶ(p032-033) 引用 「知識には同じく知識をわすれる能力がともなわなければならない。不知(ノン・サヴォワール)とは無知ではなくて、知識を克服する困難な行為である。この代償によって作品はたえず一種の純粋な開始となり、創造は自由の行使となる…

『空間の詩学』序章Ⅵ

◆序章Ⅵ(p027-031) 引用〔強調部分も本文〕 「もし詩的イメージに関して、純粋昇華の領域を分離できれば、おそらく精神分析学の研究と比較して、現象学のしめる位置がさらに正確にしめせよう。この純粋昇華とは、情念の重荷をすてさり、欲望の圧力から解放…

バシュラールの難解さについて

ここまで序章を一節ずつ、半分まで読んできたが、やはりバシュラールは読みにくい。心に留まる言葉を読み込もうと思っても、周囲にいくつもの意味や思想が巻かれていて、輪郭がうやむやになっていく。序章でさえそうなのだから、本章はどうなるのか。他の人…

『空間の詩学』序章Ⅴ

◆序章Ⅴ(p025-026) 引用〔強調部分も本文〕 「詩的想像力についての一次的な現象学的研究においては、孤立したイメージ、これを展開するフレーズ、詩的イメージを放射する詩句、ときには節が、ことばの空間を形成する」 「この空間は地形分析(トポアナリー…

『空間の詩学』序章Ⅳ

◆序章Ⅳ(p021-024) 引用〔強調部分も本文引用〕 「このようにわたくしの研究は、純粋な想像力からうまれでてくる、根源における詩的イメージに限定し、多数のイメージの集合としての詩の構成の問題は扱わない」 「文芸評論家は、しばしば指摘されていること…

『空間の詩学』序章Ⅲ

◆序章Ⅲ(p017-020) 引用 「共鳴(レゾナンス)と反響(ルタンテイスマン)という現象学的姉妹語を鋭く感じとれる可能性がここにあることに注意しなければならない」「共鳴は世界のなかのわれわれの生のさまざまな平面に拡散するが、反響はわれわれに自己の…

『空間の詩学』序章Ⅱ

◆序章Ⅱ(p011-017) 引用〔強調部分も本文引用〕 「現象学だけが――つまり個の意識の内部でのイメージの出発を考察することが――われわれにイメージの主観性を恢復させ、イメージの超主観性の意味、力、豊かさを測定してくれるのである。この一切の主観性、超…

『空間の詩学』序章Ⅰ

ここで、この本の読みの方向を明確にしておきたい。 究めたいのは読書感想や批評ではなく、 あくまで、この書物に書かれていることが 私自身の実際の詩作過程にどのように立ち現れるのか、 あるいはまったくかかわりない流れなのか、ということ。 そのための…

略歴

ガストン・バシュラール(Gaston Bachelard, 1884年6月27日 - 1962年10月16日) フランスの哲学者、科学哲学者。1940年よりソルボンヌ大学教授。科学認識論関係と詩的想像力関係の二分野について考察した。晩年は詩的想像力の研究にも多くの業績を残した。 …

ガストン・バシュラール『空間の詩学』/章立て

『空間の詩学』/岩村行雄訳 (ちくま学芸文庫 2002年) 章立て 序章 第1章 家・地下室から屋根裏部屋まで・小屋の意味 第2章 家と宇宙 第3章 抽出・箱・および戸棚 第4章 巣 第5章 貝殻 第6章 片隅 第7章 ミニアチュール 第8章 内密の無限性 第9章…

ガストン・バシュラールへの興味

これまでに詩集を数冊出版し、 自分が何を表現しようとしているのか、 頭の奥にはイメージがあるのだけれど、 なかなか言語化できずにいた。 数年前にふとしたことでG・バシュラールを知り、 彼の後半生のいくつかの書物に、 わたしが表現したいことに近い…