『空間の詩学』序章Ⅸ

◆序章Ⅸ(p036-042)
 
ようやく最終節に来た。
序章の最後の節にあたるここでは、
本書の研究範囲と本章の外観が述べられている。
 
〇本書で探究すること
・幸福な空間のイメージの検討(トポフィリ〈場所への愛〉)
・空想の存在の豊潤さ
・詩的イメージの現象の研究(序章Ⅰより)★詩的イメージが立ち現れる源泉の追究)
⇒これらを明らかにするのは現象学を用いる必要がある。
 
〇各章の概観
第1章 家・地下室から屋根裏部屋まで・小屋の意味
第2章 家と宇宙
・家の詩学の問題
・地形分析(トポアナリーズ)の学説の総体の構成
・「家」を思うことによって、自己のなかに「すむ」ことを知る
 
第3章 抽出・箱・および戸棚
・心理に鍵がかけられていること
・隠されたものの現象学
 
第4章 巣
第5章 貝殻
・物事の実在によって制約されない想像力の活動の立証
 
第6章 片隅
・「身をひそめる」「片隅」ということ
 
第7章 ミニアチュール
・小さなものと大きなものとの弁証法。
 
第8章 内密の無限性
・イメージの無限性について
 
第9章 外部と内部の弁証法
・イメージへの存在論的価値
・開いたものと閉じたもの
 
第10章 円の現象学
・比喩の主知主義をあばく
・純粋想像力の固有の活動をしめす