『空間の詩学』本章に触れて思うこと

どうにか序章を読み終え、今第1章を読んでいるのだが、これまでのような書き方では表面をなぞるだけになってしまうと思い始めた。書き写すだけで満足してしまいそうだ。
なので、詩作の糧になりそうな印象的な部分を抜き書きし、解読できないことは他の書物で深めていく方法を取ってみようと思う。
現時点では、バシュラールのいう現象学とはどういうことかをもう少し掘り下げたい。
ちょうど指南書としている『バシュラールの世界』(松岡達也著)の第2章が「バシュラールの現象学」なので、『空間の詩学』第1章と並行して読み進めていこう。
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と、そんな感じで読んでいたところ、とても興味深い部分があった。
『バシュラールの世界』(松岡達也著)第2章「バシュラールの現象学」P51に、ピエール・キエ『バシュラール論』が引用されていた。それは次のような記述である。
 
〈『空間の詩学』が傑作であるのは、現象学的方法によってではない。それはバシュラールが、自己の幻想の法則にすっかり身をまかせているからであり、彼の鑑識が彼の原理よりずっと確かであるからである〉『バシュラール論』P111
 
現象学にとらわれないバシュラール論。ピエール・キエとはどんな人物なのだろう、『バシュラール論』を読みたくなった。中古本を探してみると数百円で売られていたのでさっそく注文。届くのが楽しみだ。