木原孝一

木原孝一 散文詩集『星の肖像』(1954年)

時計塔 僕はまだ着なれない背広を気にしながら僕の尊敬 する詩人のひとりと舗道のうえを歩いていた。 晩春の微風が頬を吹き花花のようにイルミネイションが 夜の街角を飾っていた。僕らは新しい映画や雑誌や衣裳 などについて家禽類のように話していた。ふと…