『空間の詩学』序章Ⅷ

◆序章Ⅷ(p034-036)
 
引用〔強調部分も本文〕
 
「想像力を人間の本然のもっとも大きな力とみなすことを提案したい」
 
現実的なものの機能は過去にまなんだ賢明な機能であり、この種のものは古典的心理学によって解明されてきた。だがわたくしがまえの著作において明らかにしようとつとめたとおり、この現実的なものの機能に、これと等しく実在的な非現実的なものの機能をむすびつけなければならない」
 
「人間の霊魂(プシシスム)の二つの機能、現実的なものの機能と非現実的な機能とを協力させることができなければ、詩のあたえる心的利益にあずかることはできない。一篇の詩が現実と非現実をおりなし、意味と詩(ポエジー)との二重活動によってことばに活力をあたえたならば、その詩はわれわれに真のリズム分析療法をあたえてくれる」
 
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要約
 
・過去を踏まえた「現実的な機能」と実在的な「非現実的な機能」が両輪となって、詩は真のリズムを発揮する。また、再現するための想像力はさほど重要ではない。
 
・何をおいても想像力が人間の最も大きな力である。想像力はイメージをうみだすちからである。
 
※メモ
想像力・・・実際にないものを心のなかに思い描く力
イメージ・・・心のなかに思い描く情景
想像力(精神の動性)→イメージへとつながる
心像と心象・・・心像の方が対象に対する具体性がより強い